【はじめに】建築設備とは

基本

建築物を人間に例えると設備はかなり重要

設備が機能しなければ価値がない

 建築物を建てる上で最も目立つのは外観や骨格を作る建築主体の工事です。反面目立たないのは電気や水、ガスなど設備工事です。

 しかし、どんな立派な箱を作っても、中身がなければ価値がありません。

 建築物はよく人間に例えたりします。

 皮膚や骨格は建築物の骨組みや外装、心臓はポンプ、血管は配管、神経経路は電気回路、脳はコンピューターなどイメージしやすいかと思います。

 住宅のメンテナンスを住宅診断といったり修理業者などをすまいのドクターと言ったりすることもありますよね。

 もし人間に心臓や神経、血管、脳みそなどがなければ、それは「人形」と呼びませんか。生きる死ぬとかいう以前にものでしかありません。

【建築設備】用語の定義

 ここでいう設備とは「建築設備」全般を指し、当日本設備大学でも建築設備をメインに解説していきます。

 厳密には法律による定義となるので、ぶれのないようにここで確認しておきます。建築設備の用語がでてくるのは以下の2つです。少し難しいですが、後ほど分かりやすく簡単に解説します。

建築物とは

建築基準法 第2条第一号

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

 ここではあまり詳しく説明するとめちゃくちゃ長くなるので、詳しく知りたい方は「建築物の定義ー建築士の知識」をご参考にしてみてください。

 ここで言いたいことは「建築物に建築設備が含まれる」ということだけです。次は本題の「建築設備」の定義です。

建築設備とは

建築基準法 第2条第三号

建築設備 建築物に設ける電気ガス給水排水換気暖房冷房消火排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突昇降機若しくは避雷針をいう。

電気設備

 電源、通信、

ガス設備

 主に気体の配管や機器設備系統です。コンロに使う燃料系のガス工事の他に、酸素、麻酔などの医療系のガス、圧縮した空気などの設備がこれに該当する。

給水設備

 内部の空気と外部の空気を入れ替える設備をさす。新鮮な空気を外部から取り入れ内部の空気を強制的に吐き出すことが多い。クリーンルームなどの居室は、吸い込みと吐き出しのバランスをとり、内部に空気を入れない手法をとることもある。機械換気と自然換気を組み合わせて用途にあった換気を計画する。

排水設備

 排水設備は、主に建築物から外部へ水などを排出するための設備。雨水などの外部からの浸入したものから使用したものまでさまざま。

換気設備

 内部の空気と外部の空気を入れ替える設備をさす。新鮮な空気を外部から取り入れ内部の空気を強制的に吐き出すことが多い。クリーンルームなどの居室は、吸い込みと吐き出しのバランスをとり、内部に空気を入れない手法をとることもある。機械換気と自然換気を組み合わせて用途にあった換気を計画する。

暖房設備・冷房設備

 まとめて空気調和設備といわれる。エアコンディショナー(エアコン)もこれにあたる。

消火設備

 主に火災時の消火時に起動する設備。スプリンクラー設備や消火栓設備などの消火のための設備と火災を知らせる警報や避難設備もこれにあたる。

排煙設備

 排煙とは、火災が起きたとに人々が避難できるように煙を外部に吐き出す排煙窓や排煙装置などをさす。

汚物処理の設備

 し尿浄化槽などの汚物処理や汚物処理を行う処理場

煙突

 煙突設備ではないが、主に燃焼した排気を排出するもので排煙設備でも換気設備にもあたらないので設備に分類される。

昇降機設備

 昇降機とは、いわゆるエレベーターやエスカレーターのような昇降のための設備。

避雷針設備

 避雷針は、雷災害から建物や内部の設備を守るために設置するもの。所定の高さの建築物は設置規定があり、他には防災センターや消防署でも設置することがある。

実際はこれらが複合した設備が多い

 実際の現場では、設備単体でよりも複合設備が多い。例を挙げると、衛生設備は給水設備と排水設備の複合である。エアコンも電気が供給しなければ動かないし、消火設備もその設備に至るまでの給水設備や電気設備がないと実際は機能しない。

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